Vol.20

今回は、ポトマックの総料理長“ハングリーモンスター中塚”が、“ホセ・アンドレス”の料理の世界をレポート&解説しちゃいました



「料理:ホセ・アンドレスの世界(レポート&解説/ハングリーモンスター中塚)」

 

First dish /一皿目のプレゼンテーション

先手必勝!いきなりガッツーンときたぜ!どうですかこのプレゼンテーション。お父さんの晩酌のお供、サバ缶じゃねーの。見てビックリ!開けてビックリ!食べてビックリ!


Mussels olive oil,vinegar,pimento/ムール貝のオリーヴオイルとヴィネガーのマリネ、赤ピーマン添え

やわらかくワイン蒸しされたムール貝をエクストラヴァージンオイルと白ワインビネガーでマリネされた一品。口当たりも良くビネガーの酸味もほどよく、小さく切った赤ピーマンがアクセントになり、ムール貝の美味しさをストレートに楽しめます。


King crab raspberried,raspberry vinegar/キングクラブとラズベリー添え、ラズベリービネガーソース

うま味、甘み、いっぱいのキングクラブと、甘酸っぱいフレッシュなフランボワーズ。蟹の甘味をいっそう際立てるフランボワーズビネガー。フレッシュのエストラゴンが爽やかに全体の味を引き締める。組み合わせが絶妙・色鮮やかな鉄板の一品。「すべらんなぁ〜」。


West coast oysters lemon,black pepper/西海岸の生牡蠣、レモンと黒胡椒の香り

新鮮でミルキーな生牡蠣を、牡蠣のエキスとレモン汁で食するシンプルな一品。殻付き牡蠣を食べているような錯覚をしそうな新鮮さ。牡蠣好きで有名な、かのサルバドール・ダリは、牡蠣と最高に会う飲み物は“水”だと言ってたそうだ。「口の中が完全に“海”になる。」そんな彼の言葉を思い出す一品。こんなおいしい一品を考えたのは“ダリ”だ!


Boneless chicken wings green olive pur_e/骨付き手羽先のコンフィ、グリーンオリーブのピューレ添え

コンフィした鶏の手羽先を骨抜き、あげ焼きして表面を香ばしく仕上げた一品。クラッシックな料理法を現代風にプレゼンテーションした代表作といえる料理です。グリーンオリーブのピューレと石板のお皿が何やら“禅”なイメージを与える一品。でも、唐揚げと言われれば唐揚げかもね。「おやじー、追加はズリと皮!」そういえば和食の多いカルフォルニア。ビヴァリーヒルズ・セレブの“和食”好きをくすぐるのかも。


Caprese/カプレーゼ

見た目はカプレーゼ。どこにでもある料理と侮るべからず。食べてびっくり!小さなモッツアレラに魔法がかかってました。口の中で噛んでみると、あら不思議。モッツアレラ・チーズとみえる球体の皮がぷっちんとはじけて、中から濃厚なミルクが飛びでてきます!まだ日本にあまり入ってない、物理学を応用した調理法を駆使しています。スペインに“エル・ブリ”というすばらしいレストランがこの調理法を始めたのですが、さりげなく・ちゃっかりと最新の技術を取り入れる“ホセ・アンドレス”。いやぁ〜エロおやじだね〜。


Catalan spinach apple,pine nuts,raisins/芽キャベツと林檎、葡萄のサラダ

泡・泡・泡。シャンペ〜ンと食べたいフルーツ的なサラダ。ヘルシ〜&ゴ〜ジャス。叶姉妹も納得。白い泡はナッツ風味のミルクで、これまたエ〜レガント。バブルな一夜でした。


Sant'd shrimp garlic,guindillapeper/エビのガーリックソテー

コーテルリャンガー!火力が命!にんにくとオリーブオイル、鷹の爪でエビのシンプルな炒め料理。多めの鷹の爪の焦がし具合やエビの火の通しかたなど抜群。王将も真っ青!


Lamb loin foraged mushrooms potato/子羊背肉のロースト、キノコのポテトピューレ添え

考えられないほど、ふわふわに仕上げた、たっぷりのポテトピューレのお風呂に、子羊が遊ぶ。一匹、二匹、三匹・・。ソテーしたキノコと少し醤油風味のゼリー状ソースがGOOD!


Beef hanger steak pigrillo pepper confit/牛サガリ(ハラミ)のステーキ、赤パプリカのコンフィー添え

米国の牛肉は美味い。この旅では何度かステーキを食ったけどね。もっと食べたらよかったと後悔している。本気で悔やんでいます。ソースは少しコチジャンを使っている韓国テイストがおもしろい。とろとろになる程火を通した赤ピーマンがよく合っていました。しかし、もっと牛肉を食べれば良かった。いっぱい牛肉を。牛肉。肉。あぁ・・・よだれが。


Mousse au Chocolat /ムースオショコラ

ミルクショコラのムース。口の中でプチプチとはじける食感のチョコレート玉。スポイド入りビターチョコ。様々なチョコのテイストを盛り合わせた、遊び心満点のデセール。
板チョコには、“SLS HOTEL”のキャラクターとして、
いろんなグラフィックに登場するモンキーがプリント。


他にもいろいろオーダーしたのだが、どれもこれもう美味しくって・楽しくって驚きがあった。。フレンチ・スパニッシュ・和食・エスニックが軽やかにミックス。一昔前のカルフォルニアフュージョンや、エルブリ的なことがしなやかに消化され、しっかり食べた感もある素晴らしい料理でした。また、至る所で飲んだカルフォルニアワインも素晴らしい!「じぃぐぅざぁ〜ぐぅ〜、気取ったぁ〜♪西海岸え〜やん!」と感嘆した食道楽の日々。ごっつっぁんでした〜。