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神戸旧居留地は、百貨店や有名ブランドが軒を連ねる神戸の代表的な“おしゃれエリア”。しかし、夜になると怖いくらい人の気配がなくなるので、ロシアの僻地に思いを馳せ“ツンドラ地帯”と呼んでいる。先日、その“ツンドラ地帯”で「64」のオープニングレセプションがあった。
店先の歩道にまであぶれ出るほど、たくさんのお客様にお越しいただいた。
笑顔・笑顔・笑顔・・。
飲食店冥利。「街の元気に貢献できる!」との思いを改めて強くした次第だ。
『ビストロ・シロ』『Bar&Bistro 64』ときて、35店舗。
僕たちは、店舗数を増やすために店を創っているわけではない。
店舗とは“偶然と必然の産物”であり、“縁と運とタイミング”が揃い、存在意味を確信したときに誕生するものだと思っている。その場所に絶対に必要であり、街とともに成長し100年愛されるものにするという使命が感じられる場合に、情熱をもって取り組めるものではないでしょうか。
そして、前回、お話した「オリジナリティー」があるかどうかを大切にしたい。
僕たちのお店は絶対に「ロマンティック」でなければならないのだ。
大好きな映画“ブエノスアイレス”(※4)の中でも使われている、情熱的で切ない“ピアソラのタンゴ”(※5)のように。
レセプション中、店を少しだけ離れてみた。
皿やグラスの当たる音、話声の喧噪、バンドネオンの甘美な響き。
「あ・・これって昔、トアウエストにあったTOOTH TOOTHだ!」と思った。
ねじレノン3を参照>>
青く光る三日月の下、無味乾燥の“ツンドラ地帯”が、
石畳も濡れる官能的な南米の裏路地に変身した瞬間だった。
『シロ』、『64』。
僕たちの新しい“Prologue/プロローグ”です。